年の瀬になると各地で開かれる歳の市(年の市)。
目的はシンプルで、正月用品を買い整えることです。
しめ飾りや門松用の松、裏白・水引、台所道具や日用品まで、暮らしに要るものが並びます。
なかでも有名なのが、浅草寺の羽子板市(毎年12月17~19日)と、日本橋・薬研堀不動尊の納めの歳の市(例年12月26~28日)。
ここでは、言葉の意味と由来、代表的な市の位置づけ、現代の歩き方をまとめます。
行事の基本情報
区分 | 内容 |
---|---|
名称 | 歳の市(年の市)=年末に正月用品を買い整えるための市。 |
由来の要点 | 毎月の定期市のうち、年末に立つ市を指すのが原義。江戸で盛んに。 |
主な例① | 浅草寺・歳の市(羽子板市)…毎年12/17~19。18日は「納めの観音」。羽子板が主役になり“羽子板市”の名で定着。 |
主な例② | 薬研堀不動尊・納めの歳の市(中央区)…12/26~28の開催例。正月飾りや衣料・雑貨も並ぶ。今後の詳細は各年の案内に従う。 |
由来と歴史
- 定義と江戸での広がり
辞典では「年末に正月用品を買い整える市。歳の市とも書く」と説明され、江戸の年中行事として定着しました。浅草観音(浅草寺)の市は最古級とされ、図絵にも賑わいが描かれます。 - “羽子板市”への展開(浅草)
浅草の歳の市では正月用品に加え押絵羽子板が評判となり、やがて主要商品に。公式サイト・自治体案内でも、歳の市が羽子板市として定着した経緯が示されています。開催日は毎年12/17~19です。 - “納めの歳の市”(薬研堀)
日本橋・薬研堀不動尊の市は、江戸の歳の市の締めくくりを担ったと伝わり、今も12/26~28の開催例が案内されています。問屋街らしく衣料や雑貨も豊富。
現代の楽しみ方
- 買い物の目安
しめ飾り・しめ縄、門松用の松や竹、鏡餅、裏白・水引、台所道具、来客用の消耗品など??正月準備品は市で一気に。浅草では羽子板を“飾り物・贈り物”として選ぶ楽しみも。 - 日程確認のコツ
浅草寺は毎年12/17~19で固定運用、薬研堀は12/26~28の開催例が続いています。当年の公式ページで時間や導線を確認してから向かうと安心。 - 混雑と装い
夕方~夜は混みやすいので、歩きやすい靴と防寒で。手がふさがらないバッグが便利。 - マナー
歩行導線・一方通行の指示に従う、露店の撮影可否を確認、神社仏閣の境内では参拝者優先の配慮を。
関連する雑学
- “歳の市”と“羽子板市”の関係
羽子板市は歳の市の一形態。浅草では羽子板が主役になったため、行事名として普及しました。 - 「納めの観音」
浅草寺では18日が観音さまの縁日で、歳の市の期間中は「納めの観音」と呼ばれます。 - 呼び名いろいろ
各地には「十日市」「晦日市」など、年末の市を表す名も残ります(位置づけは歳の市系の行事)。
まとめ
歳の市は、年末に正月の支度を整えるための市。
定義は「正月用品の市」で、浅草の羽子板市(12/17~19)や日本橋の納めの歳の市(12/26~28)が代表例です。
準備品を揃えつつ、年の瀬らしい空気を楽しんでみてください。
日程や時間は各主催の当年案内をチェックしてから出かけるのがおすすめです。