年の瀬、玄関や床の間に飾りを整えるのは、年神さまをお迎えする準備という考え方に基づきます。
代表は門松・しめ飾り・鏡餅。それぞれに“目印”“結界”“お供え”という役割が語られ、飾る時期は正月事始め(12/13)以降が目安。
29日(苦)や31日(一夜飾り)を避ける習わしも広く知られます。
片づけは松の内が終わったら、鏡開きの日に合わせて餅をいただく__そんな流れが一般的です(地域差あり)。まずは意味と時期、飾り方の基本をまとめます。
行事の基本情報
区分 | 目安 |
---|---|
飾り始め | 12/13(正月事始め)以降~28日ごろ。29日・31日は避けるとする家庭が多い(いずれも慣習)。 |
飾る場所 | 門松=門口/玄関前、しめ飾り=玄関・神棚・台所など、鏡餅=床の間・神棚・居間。 |
松の内 | 関東は1/7ごろまで、関西は1/15ごろまでが目安(地域差)。 |
片づけ | 松の内明けに外す。しめ飾り等は近隣のどんど焼き(左義長)や神社の焼納へ(当年の案内に従う)。 |
鏡開き | 関東は1/11、関西は1/15(または20日)などの伝わりがある(地域差)。 |
日程は地域・神社仏閣・家庭の流儀で異なります。個別の焼納祭は各主催の当年案内を確認してください。
言葉の意味と由来
門松
- 意味:年神さまが降り来る依り代・目印とされる飾り。
- 形:竹・松・梅などを組む。左右一対で立てる例が多いが、玄関事情により片側のみの簡略も。
しめ飾り(しめ縄飾り)
- 意味:家の入り口や神棚に清らかな結界を示す飾り。紙垂(しで)や裏白・譲葉・橙などに長寿・家運長久の願いを込める。
- 場所:玄関/神棚/台所の荒神さま などに掛ける例が多い。
鏡餅
- 意味:年神さまへのお供え。丸い形は円満、二段重ねはめでたさの重なり、橙は代々(家が続く)の語呂。
- 置き場所:床の間・神棚・居間など、家の中心に据えるのが一般的。
飾り方の目安(実用)
- 門松:風で倒れにくい場所に安定設置。集合住宅では玄関内のミニ門松も便利。水やりは控えめに。
- しめ飾り:玄関扉の人の頭より上に。屋外設置は風雨に耐えるタイプを。キッチン用は小型のものを高所へ。
- 鏡餅:暖房の直風・直射日光を避ける。鏡開きで下げたら、包丁は使わず手や木槌で割るのがならわし。真空パックならお汁粉・雑煮・揚げ餅などに。
準備の“やることリスト”
- [ ] 飾りの手配(門松/しめ飾り/鏡餅)
- [ ] 飾り始め日を決める(12/13以降?28日ごろ)
- [ ] 玄関・神棚・床の間を清掃(まず“払う”→置く)
- [ ] 片づけ日を決める(松の内明け)
- [ ] どんど焼きの開催有無・持ち込み方法を近隣で確認
- [ ] 鏡開きのメニューを決める(お汁粉/雑煮 など)
関連する雑学や逸話
- “29・31を避ける”の理由
29=二重の苦、31=一夜飾りは縁起を気にして避けるとされることが多い慣習。強制ではなく、家庭判断で。 - 松の内はなぜ違う?
江戸と上方での運用差の名残とされ、1/7(関東)/1/15(関西)の両系統が並存。地域の神社仏閣や自治体広報の案内に合わせると安心。 - 車のしめ飾り
交通安全を祈ってフロントに小型飾りを付ける地域も。走行中に外れない位置・方法で。 - どんど焼き(左義長)
正月飾りや書初めをお焚き上げする小正月行事。開催日・受け入れ品目(プラ・金具の扱いなど)は主催ごとに異なるため、掲示の指示に従う。
まとめ
お正月の飾りつけは、年神さまを迎えるしつらえ。
門松=目印/しめ飾り=結界/鏡餅=お供えという意味を踏まえ、12/13以降?28日ごろに整え、松の内が明けたら片づけ、鏡開きで餅をいただく__この流れをベースに、地域の案内や家庭の流儀へ合わせれば十分です。
無理のない範囲で、気持ちよく新年を迎えましょう。