岐阜県郡上市で毎年夏に開催される「郡上おどり」は、全国的にも有名な伝統的な盆踊りです。
江戸時代から続くこの祭りは、毎年多くの観光客を惹きつけますが、その由来や歴史は意外に知られていません。
この記事では、郡上おどりがなぜ始まったのか、その歴史的背景をじっくり掘り下げながら、祭りの内容や楽しみ方まで詳しくご紹介します。
祭りの基本情報
- 祭り名:郡上(ぐじょう)おどり
- 開催日:毎年7月中旬~9月上旬(期間中約30夜開催)
- 開催地:岐阜県郡上市八幡町一帯
- 特徴:誰でも参加可能な盆踊り、徹夜おどり(お盆期間の4日間)、全10曲の伝統的な踊り
祭りの由来と歴史
■ 諸説
郡上おどりの由来については、主に以下の諸説が知られています。
- 念仏踊りや風流踊り説
中世に広まった念仏踊りや風流踊りが起源とされます。これらは祖先供養や五穀豊穣を祈願した踊りで、やがて郡上地域独自の民謡踊りへと発展しました。 - 藩主奨励説(遠藤氏・青山氏)
郡上藩初代藩主・遠藤慶隆が領民の交流や四民融和(武士・農民・商人・職人)を図るため踊りを奨励したという説があります。また、宝暦騒動(1758年)の一揆後、藩主・青山氏が人々の心を癒し、団結を促す目的で踊りをさらに推進したという説もあります。 - 伊勢の川崎音頭由来説
天正年間(16世紀後半)に伊勢古市から「川崎音頭」が郡上地域に伝わり、独自の盆踊りとして定着したという説もあります。
■ 私の一押しの諸説
筆者が一番魅力を感じるのは「藩主奨励説」です。
特に宝暦騒動の後、藩主が民衆の心を一つにし、地域の和を取り戻すために踊りを推奨したという話には、郡上おどりの特徴である誰でも自由に参加できる「輪踊り」の精神がよく表れていると思います。
郡上おどりの自由で開かれた雰囲気の原点がここにあると言えるでしょう。
現代の姿と実施方法
現代の郡上おどりは、約30夜にわたり開催され、特に8月13日~16日のお盆期間に行われる「徹夜おどり」が最大の見どころです。
この期間中は全国から数万人もの参加者が訪れ、一晩中踊り続けるという独特な楽しみ方が体験できます。
また、郡上おどりには、「かわさき」「春駒」「げんげんばらばら」など全10曲があり、それぞれ特徴的な振り付けを楽しむことができます。
踊りの輪に加わるには特別な手続きは必要なく、誰もが自由に参加できるのも魅力です。
観光客数・経済効果と周辺観光スポット
郡上おどりは年間約30万人以上の観光客が訪れ、郡上市に大きな経済効果をもたらしています。
地元の宿泊施設や飲食店はもちろん、周辺のお土産店なども祭り期間中は活況を見せます。
また、周辺には「郡上八幡城」や「宗祇水」など、歴史的な観光スポットもあり、祭りと共に楽しむ観光プランもおすすめです。
関連する豆知識や逸話
郡上おどりの代表曲「かわさき」は、1973年に国の無形文化財に指定されました。
また、1996年には郡上おどり全10曲が国の重要無形民俗文化財にも選ばれています。
実はこのような全曲指定は全国的にも珍しく、それだけ文化的価値が高いことを示しています。
筆者の注目ポイント
筆者が注目するのは、地元の人も観光客も関係なく踊りの輪に自然と溶け込める独特な雰囲気です。
特に夜が深まるにつれて生まれる一体感や、人々の笑顔を見るのが郡上おどりの最大の魅力だと思います。
おすすめの楽しみ方
- ぜひ踊りに参加する!
まずは浴衣を着て踊りの輪に加わり、現地の人と交流を楽しみましょう。 - 徹夜おどりを体験する
一晩中踊ることでしか味わえない特別な達成感をぜひ感じてください。 - 郡上グルメを満喫する
鮎料理や郡上味噌、地元のお菓子など、郡上ならではの味覚を楽しむことも忘れずに!
公式サイト
江戸時代からの歴史を持つ郡上おどり。その奥深い魅力をぜひ現地で味わってくださいね!