花火大会の由来とは?鎮魂と祈りから生まれた日本の夏の風物詩

夏の行事
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夏の夜空を彩る花火大会。

多くの人々が楽しみにするこのイベントですが、その起源をご存知でしょうか?

実は、花火大会は江戸時代の疫病や飢饉の犠牲者を慰霊し、悪疫退散を祈るために始まったとされています。

本記事では、花火大会の由来や歴史、そして現代における意義について詳しく解説します。

行事の基本情報

  • 行事名:花火大会(はなびたいかい)
  • 開催時期:主に7月~8月
  • 地域:日本全国
  • 特徴:打ち上げ花火を中心とした夏のイベント。地域によっては、伝統的な祭りや神事と結びついて開催されることもあります。

行事の由来と歴史

花火の起源と日本への伝来

花火の起源は中国にあり、火薬が発明された後、爆竹や花火として発展しました。

日本には16世紀に火薬とともに伝わり、当初は戦での合図や武器として使用されていました。

やがて、鑑賞用としての花火が発展し、江戸時代には庶民の娯楽として広まりました。

花火大会の始まり

日本で最初の花火大会とされるのは、1733年(享保18年)に隅田川で行われた「両国川開き」です。

この時期、江戸では飢饉や疫病が流行し、多くの死者が出ていました。

八代将軍・徳川吉宗は、犠牲者の慰霊と悪疫退散を祈願して水神祭を開催し、その際に花火が打ち上げられたのが始まりとされています。

花火師「玉屋」と「鍵屋」

江戸時代には、花火師の「玉屋」と「鍵屋」が有名で、両国川開きでは両者が競い合って花火を打ち上げました。

観客はお気に入りの花火師の名前を叫びながら鑑賞し、「たまや~」「かぎや~」という掛け声が生まれました。

この文化は現在でも花火大会で見られることがあります。

現代の姿と実施方法

現代の花火大会は、地域の夏祭りや観光イベントとして全国各地で開催されています。

打ち上げ花火の他にも、屋台や盆踊り、灯籠流しなどが行われ、地域の特色を活かした催しが行われています。

また、花火大会は地域活性化や観光振興の一環としても重要な役割を果たしています。

関連する豆知識や逸話

花火の色の変化

初期の花火は白一色でしたが、技術の進歩により、現在では赤や青、緑など多彩な色の花火が打ち上げられるようになりました。

これは、火薬に金属粉を加えることで実現しています。

手持ち花火「線香花火」

日本独自の手持ち花火である「線香花火」は、江戸時代中期に庶民の間で流行しました。
細いわらの先に火薬をつけ、火鉢や香炉などに立てて遊んだのが始まりとされています。

まとめ

花火大会は、江戸時代の疫病や飢饉の犠牲者を慰霊し、悪疫退散を祈るために始まりました。

現在では、夏の風物詩として多くの人々に親しまれていますが、その背後には深い歴史と意味が込められています。

今年の花火大会では、華やかな光景の中に込められた祈りや願いにも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

【コラム】江戸の夜空を競い合った!花火師「玉屋」と「鍵屋」の物語

玉屋と鍵屋って、どんな花火師?

江戸時代、両国川開きの花火大会で圧倒的な人気を誇ったのが、
「鍵屋(かぎや)」と「玉屋(たまや)」という2つの花火師集団でした。

  • 鍵屋(初代・弥兵衛):日本で最初に本格的な花火を商売にしたとされる名門。
  • 玉屋(玉屋市兵衛):鍵屋から独立した弟子筋。革新的な花火で人気急上昇!

江戸っ子たちはこの2大巨頭を応援し、
「かぎや?!」
「たまや?!」
と声援を飛ばしながら夜空を見上げていました。

ところが…玉屋に“悲劇”が!

玉屋は革新的な技術と華やかな演出で一世を風靡しましたが、
なんと放火騒ぎを起こしてしまい、失脚します。

1825年、玉屋の店舗から火災が発生し、
江戸の町の大部分を焼失させてしまったのです(大火事の一因に…)。

これにより、玉屋は幕府から追放処分
その後、正式な花火大会は鍵屋一門のみが担当することになりました。

つまり、現代に続く「老舗花火師の流れ」は、鍵屋サイドだけが存続しているんです。

それでも「たまや!」が残った理由

本来なら、玉屋が消えた後は「かぎや~!」だけになってもおかしくなかったはず。

でも、玉屋の花火の華やかさが江戸っ子の心に強烈に残っていたため、
花火大会では今もなお「たまや~!」の掛け声が生き続けているんです。

つまり、「たまや!」は、江戸庶民が愛した“幻の花火師”に対する
リスペクトの叫びなんですね。

まとめ|「たまや~」に込められた、江戸っ子の心意気

  • 玉屋は革新派、鍵屋は堅実派
  • 玉屋は火災事件で失脚したが、江戸の人々の心にその輝きは残った
  • 今も花火大会で「たまや~!」と叫ぶのは、江戸の美意識を受け継ぐ文化!

夜空に打ち上がる花火とともに、
遠い昔の玉屋と鍵屋の熱い勝負に思いを馳せるのも、粋な楽しみ方かもしれませんね。

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