大嘗祭(だいじょうさい)__即位後に一度だけ行われる新穀のまつり

11月
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大嘗祭は、稲作文化に由来する収穫の祭儀に根ざした宮中の行事で、天皇が即位後はじめて大嘗宮で新穀を皇祖(天照大神)と天神地祇に供え、みずからも口にして感謝・祈念するものです。

皇位継承に伴う一世に一度の重要な儀式と位置づけられ、直近は令和元年(2019)11月14日夕から15日暁前にかけて行われました。

行事の基本情報

区分内容
名称大嘗祭(だいじょうさい)
性格天皇が即位後はじめて新穀を供え、みずからも召し上がり感謝・祈念する宮中祭祀(皇位継承に伴う一代一度の儀)
中心儀式悠紀殿供饌の儀主基殿供饌の儀(大嘗宮にて)
直近の斎行2019年11月14日(夕~夜)/15日(暁前)に実施。引き続き大饗の儀を11月16日・18日に挙行。
斎田(直近例)悠紀=栃木県、主基=京都府(両地方の斎田の新穀を供進)
会場皇居東御苑に大嘗宮(特設の殿舎群)を設営して執行(2019年も同所)
備考大嘗宮は後日一般参観が設けられた年があります(2019年は11/21?12/8に公開)。

由来と歴史

  • 起源と意義
    大嘗祭は、古くからの新嘗の祭に由来します。即位後、天皇が大嘗宮で新穀を供え、みずからもいただき、国家・国民の安寧と五穀豊穣を祈る__という意義が宮内庁資料に明記されています。
  • 一代一度の確立
    7世紀中頃までは大嘗祭(一次)と新嘗祭(毎年)の区別がなかったものの、天武天皇の時代に両者が区別されたとされます。以後、大嘗祭は一世に一度行う皇位継承の重要儀式として継承されました。
  • 場と施設
    大嘗祭の中心は、皇居東御苑に特設される大嘗宮。約90m四方の敷地に悠紀殿・主基殿・廻立殿など30余棟を設け、床は筵や畳表、柱は皮付きの丸太といった伝統的で質素な造りと説明されています。

儀式構成の要点(2019年の公表内容に基づく)

  • 悠紀殿供饌の儀/主基殿供饌の儀
    参列ののち、庭積の机代物(各都道府県の特産)を置き、祝詞奏上、神饌の御親供、御告文、御直会(新穀で整えた御食・御酒を天皇がいただく)などの次第が示されています。
  • 新穀の出所
    あらかじめ卜定(ぼくてい)した悠紀・主基の両地方の斎田で収穫した新穀を用いるのが古来の伝統で、2019年は栃木(悠紀)・京都(主基)が公表されています。
  • 大饗の儀
    大嘗宮の儀後、参列者に酒肴を賜る節会(宮中の饗宴)として宮殿の豊明殿で実施(2019年は2回)。

現代の“関わり方”の目安

  • 一般向けの公開について
    2019年は、儀式後に大嘗宮一般参観(11/21-12/8)が設けられました。将来の一般公開の有無・時期は未発表のため、その都度の公式案内をご確認ください。
  • 関連行事の理解
    大嘗祭は即位に伴う特別な新嘗祭で、一方の新嘗祭(11/23)は毎年の宮中恒例祭祀です。名称や性格の違いを押さえておくと、ニュースや資料が読みやすくなります。

関連する雑学や用語

  • 悠紀(ゆき)・主基(すき)
    東西2つの地方から斎田を定める古式の慣行。大嘗祭では、それぞれの新穀が悠紀殿/主基殿で用いられます。
  • 庭積の机代物(にわづみのつくえしろもの)
    各都道府県の農林水産物を供える項目名。2019年資料にも記載があります。
  • 大嘗宮(だいじょうきゅう)
    大嘗祭のために都度設営される殿舎群。儀式後に一般公開された年(2019年)もあります。

まとめ

大嘗祭は、即位後に一度だけ行われる新穀のまつり。

中心は悠紀殿供饌の儀/主基殿供饌の儀で、選ばれた悠紀・主基の斎田の新穀を供え、感謝と祈念が捧げられます。

直近は2019年11月14-15日に皇居東御苑の大嘗宮で執り行われました。

今後の実施や一般公開の予定は未発表事項につき、公式発表での確認が確実です。

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