草木に宿る冷たい露――二十四節気「寒露」で感じる深まる秋

秋の行事
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10月上旬、朝露が冷たく輝き、稲穂が黄金色に染まる頃――それが「寒露」です。

平安の昔より暦に刻まれてきた二十四節気の一つで、暑さが去り澄んだ大気が星空や月をいっそう美しく見せてくれます。

農家は収穫の仕上げに忙しく、食卓には新米や秋刀魚、栗ご飯が並ぶ季節。

本記事では、寒露の由来と歴史をひもときつつ、現代ならではの楽しみ方や雑学、秋の味覚を活かした“おいしい過ごし方”までをたっぷりお届けします。

行事の基本情報

項目内容
行事名寒露(かんろ)
基準日毎年10月8日頃(2025年:10月8日〈東京〉)
期間10月8日~10月22日頃
意味夜の冷気で草木の露がひんやり感じられる頃
公式サイト国立天文台 暦計算室
周辺グルメ新米、秋刀魚塩焼き、松茸土瓶蒸し、栗きんとん、菊花のおひたし

由来と歴史

中国の太陰太陽暦がもとになった二十四節気は、紀元前の戦国時代に考案され、日本へは飛鳥~奈良時代に伝来しました。

寒露は17番目の節気で、漢字どおり「冷たい露」を意味します。

秋分を過ぎ、太陽黄経が195度に達する瞬間が節入りと定義され、日本では平安期の貴族も農事や宮中行事の指標として用いていました。

江戸時代には農民の生活暦として普及し、「寒露が過ぎれば刈取り仕舞い」と言われたほど稲刈りの目安に。

現在も東北?北海道の農家では、寒露前後に最後の稲刈りや豆・芋類の収穫を終えるところが多く、昔ながらの季節感が色濃く残っています。

現代の行事の過ごし方

  • 星空&月夜鑑賞
    空気が澄むこの時期は月や惑星、オリオン座流星群(10月21日頃)が好条件。夜長のお供に温かいお茶をどうぞ。
  • 秋の実りを味わう
    新米や松茸はまさに旬。自宅でも釜で炊いた新米を味わえば格別です。新米お取り寄せはこちら(PR)
  • 季節の手紙や年賀状準備
    時候の挨拶「寒露の候」を使って、早めに年賀状作戦を立てるのも◎。
  • 防寒&乾燥対策スタート
    朝晩の冷え込みが増すため、衣替えと同時に加湿器の準備を。静音タイプ加湿器を見る(PR)

関連する雑学や逸話

  1. 七十二候で読み解く寒露
  • 10/8~12「鴻雁来(こうがんきたる)」―雁が渡って来る頃
  • 10/13~17「菊花開(きくのはなひらく)」―菊が咲き始める頃
  • 10/18~22「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」―コオロギが戸口で鳴く頃
  1. スポーツの日との相性抜群
    10月第2月曜は「スポーツの日」。晴天率が高い寒露期は各地でマラソン大会や運動会が開催されます。
  2. 茶道の世界では“炉開き”の準備
    茶道では11月の炉開きが正月にあたるため、寒露頃から茶室のしつらえ替えが始まります。
  3. 紅葉前線と南下競争
    寒露を過ぎると北海道大雪山系が見頃に。以後、霜降・立冬へ向けて紅葉前線は一気に南下します。

まとめ

寒露は、朝露の冷たさや澄んだ星空、実り豊かな秋の味覚で季節の深まりを教えてくれる節気です。

古来の農事暦としての役割に加え、現代ではアウトドアや食文化を満喫する好機でもあります。

今年の寒露は、夜空を見上げたり旬の味を楽しんだりしながら、“秋の深呼吸”をしてみませんか?

コラム:寒露を彩る「秋の味覚プレート」3選

  1. 新米×秋刀魚の塩焼きプレート
  2. 松茸土瓶蒸し&菊花かぶ
  3. 栗ご飯ときのこの味噌汁

いずれも旬の食材で身体を温め、寒露の朝晩の冷えに備えましょう。

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