秋空を走る車輪の響き―長浜・秋の曳山巡行で出会う“動く美術館”

お祭り
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春の「長浜曳山祭」で知られる城下町・長浜。

じつは秋にも、曳山を間近で鑑賞できる特別な一日があるのをご存じだろうか。

それが10月第2土曜に開催される「秋の曳山巡行(交替式)」。

曳山博物館に展示する実物の曳山を入れ替えるため、八基もの山車が正装で曳き出され、市街をゆっくり巡行する――まさに“動く美術館”が町中に飛び出す瞬間だ。

400年の歴史を誇る祭礼文化と職人技を、秋風の下でじっくり味わってみよう。

行事の基本情報

項目内容
行事名長浜曳山祭「秋の曳山巡行(交替式)」
開催日毎年10月第2土曜日〈2025年は10月11日予定/荒天時は翌日順延〉([高砂山][2])
時間9:00頃~16:00頃(博物館前出発→市街中心部→博物館帰還)
見どころ8基の曳山曳行・曳山博物館前での展示替えセレモニー
会場長浜市曳山博物館周辺~黒壁スクエア界隈
主催公益財団法人 長浜曳山文化協会
アクセスJR長浜駅から徒歩7分/北陸道・長浜ICから車10分
公式サイトhttps://nagahama-hikiyama.or.jp/

由来と歴史

長浜曳山祭の起源は安土桃山期、羽柴(豊臣)秀吉の嫡男誕生を祝った町民が秀吉から拝領した砂金で曳山を造り奉祝行列を行ったことにさかのぼると伝わる。

以来400年以上、春の本祭では子ども歌舞伎が演じられる華麗な祭礼として発展し、2016年には「山・鉾・屋台行事」の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録された。

曳山の保存・修理拠点として2000年に開館した曳山博物館では、毎年4基を交替展示しているが、かつては4月第1土曜に行われていた展示替え行事「曳山交替式」を、2019年から秋開催へ移行。

こうして誕生したのが現在の「秋の曳山巡行」である。

八基もの曳山が一斉に街路を巡る様は、本祭に劣らぬ迫力と芸術性を備え、長浜の秋の風物詩として定着した。

現代の行事の過ごし方

  • ベスト観覧スポット
  • 曳山博物館前:出発・帰還時に曳山を至近で撮影可。
  • 黒壁スクエア周辺:石畳と歴史的街並みを背景にしたフォトジェニックな1枚が狙える。
  • スケジュール感
  • 9:00頃から順次曳き出し→市内巡行→14:30頃黒壁スクエア到着→16:00頃博物館帰還。
  • 服装・持ち物
  • 10月上旬の湖北は日中20 ℃前後、朝夕冷え込むため薄手の上着を。巡行は屋外で長時間立ち見になるため、折りたたみ椅子やクッションがあると快適。
  • 併せて楽しむ
  • 博物館では当日限定で舞台裏ツアーを実施(有料・先着制)。曳山内部の緻密な彫刻やからくり機構を解説付きで見学できる。

関連する雑学や逸話

  • “交替式”の意味
    春の本祭出場予定の曳山4基を展示に備えて入替える作業そのものが行事化したもの。展示替えとは思えない豪奢な巡行は必見。
  • 8基同時曳行
    本祭では原則4基しか町を回らないが、秋は展示替えの都合で最大8基が登場。“量”でも“質”でも得した気分に。
  • ユネスコ登録の裏話
    長浜曳山祭は全国33行事を束ねて登録されたため、登録証には個別名が記されない。地元では「長浜の文字を探せ」と話題に。
  • 山車は町の“共有財産”
    13基の曳山はそれぞれ町内が所有。維持費は町民の寄付で賄われ、子どもが生まれると「将来のシャギリ奏者候補」として祝い金が贈られる慣習も。

おすすめの宿5選

宿名特徴巡行会場へのアクセス
グランドメルキュール琵琶湖リゾート&スパ2024年開業のオールインクルーシブリゾート。湖畔温泉やクラブラウンジ付きでリゾート気分満点。JR長浜駅から徒歩10分、博物館まで徒歩15分
レジーナリゾートびわ湖長浜愛犬同伴OKの湖畔宿。夕陽百選の絶景と鉄泉温泉が魅力。博物館まで徒歩8分
浜湖月(長浜太閤温泉)全室レイクビュー露天風呂付きの料亭旅館。秀吉ゆかりの「子宝の湯」。徒歩6分
旅館 紅鮎(尾上温泉)竹生島を望む奥びわ湖の和宿。全室半露天・京風会席が評判。会場へ車20分/JR高月駅から送迎有
スーパーホテル滋賀・長浜天然温泉2025年7月開業。男女別温泉&無料朝食でコスパ◎。ウェルカムバーも人気。JR長浜駅より車10分

まとめ

秋の長浜は、鮮やかな紅葉とともに豪華絢爛な曳山が街を彩る特別な季節。

八基の山車が織りなす巡行は、まるで歴史絵巻をページごとにめくるような体験だ。

春の子ども歌舞伎とは違った迫力と職人技を堪能しつつ、湖畔の宿でゆったりと余韻に浸ろう。

次の展示替えまで一年、一期一会の出会いをぜひ現地で味わってほしい。

コラム:秋開催へシフトしたワケ

かつて交替式は春先に行われていたが、曳山博物館の来館者増を狙い「秋にも曳山を街に出そう」という地元の声で2019年から10月開催に変更。

夏の酷暑や春の桜シーズン混雑を避け、観光分散と町民負担軽減を図る狙いもある。

結果、秋の長浜に新たな観光ピークが生まれ、宿泊客数は移行前比で約1.4倍に伸びたという(博物館発表)。

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