鶴岡八幡宮例大祭|800年以上受け継がれる放生会と流鏑馬の大祭

お祭り
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鎌倉の秋を告げる「鶴岡八幡宮例大祭」。

源氏ゆかりの社で800年以上続くこの祭りは、夜の鈴虫奉納から勇壮な流鏑馬まで、武家文化の粋を体感できる三日間です。

歴史ロマンと雅やかな芸能が交差する舞台裏をのぞいてみませんか。

行事の基本情報

項目内容
行事名鶴岡八幡宮例大祭
開催日毎年9月14日~16日
会場鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31)
主な神事宵宮祭(14日18:00~)/例大祭・神幸祭(15日10:00~)/流鏑馬神事・鈴虫放生祭(16日13:00~)
観覧料境内自由 ※流鏑馬観覧席は有料・要事前確認
アクセスJR鎌倉駅東口から徒歩約10分

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行事の由来と歴史

諸説の提示

  1. 文治3年(1187)説
    『吾妻鏡』に記された放生会と流鏑馬奉納が起源。源頼朝が漁業の守護と武運長久を祈願したと伝わる。
  2. 治承4年(1180)遷座前後説
    頼朝が現在地に八幡宮を遷座した際、京の石清水にならい大規模祭祀を開始したとの説。
  3. 百年前の前身祭礼説
    1063年、源頼義が勧請した旧社「由比若宮」で行われた月待ち・放生行事が後に統合されたという説。

私の一押しの諸説

もっとも史料価値が高いのは『吾妻鏡』の1187年説です。日付・儀式内容が具体的に記され、放生会と流鏑馬のセット神事が今日まで継承されている点も納得度が高い理由です。

現代の姿と実施方法

  • 宵宮祭(9/14):夜の舞殿で神前に祭り開幕を報告。雅楽が幽玄な雰囲気を添える。
  • 例大祭(9/15):神社本庁の献幣使を迎え、厳粛な大祭を斎行。鈴虫を供えて秋を奏でるのは鎌倉独自の風雅。
  • 神幸祭(同日13:00):室町期製の神輿3基が若宮大路を練り歩き、八乙女舞が奉納される。
  • 流鏑馬神事(9/16 13:00頃):小笠原流射手が疾走馬上から三的を射抜く圧巻の武芸。整理券や有料席は公式発表を要確認。
  • 鈴虫放生祭(同日17:00):神前で鳴いていた鈴虫を池に放つ生命賛歌の儀式。

関連する豆知識や逸話

  • 鈴虫奉納は明治期の雅人ブームが火付け役?文明開化で失われかけた虫聴き文化を再興すべく、宮司が採り入れたとされる。
  • 「弓馬礼法」の教科書?小笠原流は射手の所作がすべて型化され、流鏑馬だけで約120手の細則が存在。見比べると上級者視点で楽しめる。
  • 放生会と海神信仰?例大祭当初は由比ヶ浜で千羽鶴・魚介を放っていた記録があり、鎌倉武士が海の恵みに感謝していた証左。

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まとめ

鶴岡八幡宮例大祭は、武家政権誕生を象徴する源頼朝の放生会を源流に、雅と武の神事を800年以上紡いできた鎌倉の魂。

その核心は「生きとし生けるものへの祈り」と「武運長久」という二重の願いにあります。

秋の鎌倉を訪れるなら、この三日間こそ最上のタイムトリップ。

歴史と季節のハーモニーを体感してみてください。

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