毎年8月11日は「山の日」。
でも「なんで祝日なの?」「登山しないけど関係あるの?」
…と思っている方も多いのではないでしょうか。
実はこの「山の日」、海の日があるなら山にも祝日をという声から生まれた、
比較的新しい祝日です。
この記事ではその制定の背景、日付の意味、
そして山の日をどう過ごすべきか、じっくりご紹介します。
山の日の由来|なぜ“山”に感謝する日が生まれたのか?
山の日は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日」として、
2014年に「国民の祝日に関する法律」が改正され、2016年から施行されました。
この背景には、日本の地形や文化、社会的な流れが関係しています。
日本は“山の国”だった
- 国土の約7割が山地
- 山は古くから信仰・水源・食・建材の源であり、生活と切っても切れない存在
- 海の日(1995年制定)に続き、山も祝うべきだという声が上がった
特に2002年の国際山岳年を契機に、山岳団体・登山愛好家から「山の日を祝日に」という声が強まったのです。
なぜ8月11日?日付に隠された“意味”と配慮
制定時には8月12日が候補に挙がっていましたが、これは1985年の日本航空123便墜落事故の日と重なるため見送られ、最終的に8月11日が選ばれました。
8月11日が選ばれた理由
- お盆休み前で連休が取りやすく、山に行きやすい時期
- 「8」は漢数字で山のような形、「11」は木が並ぶ姿に見えるという象徴的な数字
- 他の祝日とのバランスも考慮し、夏の祝日として最適とされた
偶然のようで、山とのつながりを感じさせる数字なんですね。
山の日の意義|登山をしなくても関係ある?
「山に登らない自分には関係ない」と思うかもしれません。
でも山の日の本当の意義は、“山に感謝する心”を育むことにあります。
山がもたらす恩恵とは?
- 水資源の供給源(森が水を育む)
- 酸素の供給(森林による光合成)
- 気候調整や災害の防止(風を防ぎ、水を蓄える)
- 文化・信仰の場(山岳信仰、修験道など)
つまり私たちは、登山をしなくても日々、山の恵みに支えられているのです。
現代の山の日の過ごし方|自然と向き合う1日に
山の日は、「山に登る」だけが過ごし方ではありません。
以下のような形で、自然との関わりを再確認する一日としても価値があります。
山に行く(登山・ハイキング)
- 近くの低山や公園など、初心者でも行ける場所から始める
- 高原リゾートで森林浴やトレッキングを楽しむ
家にいながら自然にふれる
- 山に関する本やドキュメンタリーを観る
- 山菜やきのこなど“山の恵み”を使った料理を味わう
- 山の写真や絵画を楽しむ
自然保護や環境意識を育てる
- ゴミ拾いや植樹活動に参加
- こどもと一緒に山について学ぶ機会をつくる
山の日は、自然と自分の距離を見つめ直す日ともいえます。
まとめ|山の日は「自然への感謝」を取り戻すきっかけ
山の日は、「海の日」に並ぶ新しい祝日ですが、
その根底にあるのは古くからの自然観と共生の精神です。
- 山は生活の源であり、命を育む存在
- 祝日を通じて、あらためて“自然に対する感謝”を意識する
- 登山や行楽に限らず、日々の暮らしの中で山とつながる
毎年8月11日、
ただの“夏の祝日”として過ごすのではなく、
山と人、人と自然の関係を見直す機会として、大切にしたいですね。
お待たせしました!
それでは「山の日」記事に添えるコラムとしてぴったりな、山にまつわる豆知識・雑学を以下にまとめました??
読み物としても面白く、SNSでもシェアしたくなるような構成にしてあります!
コラム|思わず誰かに話したくなる!山の豆知識・雑学5選
富士山の“山頂”は誰のもの?
日本の象徴でもある富士山の山頂(約400m2)は、
実は「静岡県でも山梨県でもない」ってご存じですか?
正確には、富士山の山頂部分は富士山本宮浅間大社の私有地なんです。
江戸時代に徳川家から寄進されたとされ、現在も神社の所有地として登録されています。
山のてっぺんが“神域”というのも、日本らしいですよね。
「日本一低い山」は何メートル?
「山」というと標高の高いイメージがありますが、
“日本一低い山”として知られているのが、宮城県仙台市の日和山(ひよりやま)。
その標高、なんと…3メートル!
かつては大阪の「天保山(4.5m)」が有名でしたが、震災後の地殻変動などにより、
2014年からは日和山が正式に「日本一低い自然の山」とされています。
“山”のつく名字が一番多い?
全国の名字ランキングでも圧倒的に多いのが「山」のつく名字。
- 1位:山田
- 2位:山本
- 3位:山口
実は、ベスト10の中に「山」が3つも登場します!
これは、日本が山の多い国であることと、古くから山を拠点にした生活・信仰が根づいていた証でもあります。
高い山=寒い山は、なぜ?
山の標高が上がるにつれて気温が下がるのは、「気圧の低下」によるもの。
おおよそ標高100mごとに0.6℃下がると言われています。
たとえば標高1,500mの高原は、平地より9℃前後も気温が低い計算に。
登山時の寒暖差や服装調整が重要なのも納得ですね。
なぜ“山”は信仰の対象になった?
日本では古来より「山は神の宿る場所」とされてきました。
- 山の上に雲がかかり、天との境界に見えた
- 雨を降らせ、水を湧き出させ、作物を育てる力を持っていた
- 古事記や日本書紀でも、山はしばしば“神の居場所”として登場
現在も、「御嶽山」「白山」「大山」など、山岳信仰の対象となっている山は全国に点在しています。
おわりに|“登るだけじゃない”山の魅力
こうして見てみると、山はただ高いだけではなく、
自然・信仰・暮らし・言葉など、私たちの文化に深く根ざしている存在だと実感できます。
山の日には、ぜひこんな豆知識を片手に、
身近な山の新たな一面を感じてみてはいかがでしょうか?