夏の浅草寺を彩る風物詩、「ほおずき市」。
鮮やかな橙色の実と、心地よい風鈴の音が響く境内には、多くの参拝者と観光客が訪れます。
この市が開かれるのは、年に一度の特別な縁日「四万六千日」にちなんだもの。
実はこの日、参拝すると46,000日分、つまり約126年分の功徳が得られるとされているのです。
今回は、浅草の夏を代表する「ほおずき市」の由来と魅力を詳しくご紹介します。
祭りの基本情報
- 祭り名：四万六千日・浅草ほおずき市
- 開催日：毎年7月9日・10日
- 開催地：東京都台東区 浅草寺境内
- 特徴：特別な功徳が得られる縁日、ほおずきと風鈴の露店、夏の信仰行事
祭りの由来と歴史
諸説
「四万六千日（しまんろくせんにち）」とは、7月10日に浅草寺を参拝すると、46,000日分の功徳（＝約126年分）を得られるとされる、特別な縁日です。
この信仰は江戸時代以前から存在していたとされ、庶民の間でも大きな人気を博しました。
この縁日に合わせて始まったのが「ほおずき市」です。
起源は明和年間（1764?1772年）、もともとは芝・愛宕神社（あたごじんじゃ）で開かれていたほおずき市が、浅草寺でも開催されるようになったと言われています。
私の一押しの諸説
筆者が特に注目したいのは、「ほおずき＝薬草・魔除け」としての信仰です。
単なる飾りではなく、古来より体調を整える薬やお盆の迎え火代わりとして重宝されてきた背景を考えると、現代にも通じる“祈りと健康”の象徴としての意味が深まります。
現代の姿と実施方法
現在の浅草ほおずき市では、境内に約100軒の露店が立ち並び、色鮮やかなほおずきと、様々なデザインの風鈴が販売されます。
- 風鈴とほおずきの共演
音と色で“涼”を演出。風鈴の音が境内に響き渡り、夏の情緒を一層盛り上げます。 - 四万六千日の特別祈願
この日に参拝することで、1日で46,000日分の功徳が得られるとされ、多くの参拝者が訪れます。 - 縁起物としての人気
ほおずきは、お盆の飾りや厄除けとしても人気があり、贈り物や家庭用に買い求める人が絶えません。
観光客数・経済効果と周辺観光スポット
毎年数万人が訪れる浅草ほおずき市は、地域経済にも大きな影響を与える人気行事。祭りを目的にした観光客が周辺にも波及するため、夏の浅草を代表する集客イベントとなっています。
周辺の観光スポットとしては：
- 雷門・仲見世通り：食べ歩きとお土産にぴったり
- 浅草文化観光センター：展望テラスでの休憩にも最適
- 隅田川沿い：夕涼みにおすすめの散歩コース
関連する豆知識や逸話
- かつては、ほおずきを煎じて飲むと熱冷ましや咳止めになると信じられていた
- 「四万六千日」は、もともと仏教の「一日一善」思想の拡大解釈として始まったとされる
- 風鈴を一緒に吊るすのは「音で魔を払う」意味もあり、風鈴そのものも厄除けとして重視されている
筆者の注目ポイント
筆者が特に注目するのは、音と色で「涼」を届ける仕掛けです。
都市の真ん中にありながら、浅草寺の境内には風の音と鈴の音が溶け合うように響き、まるで別世界に迷い込んだような感覚になります。
風鈴を見上げながら、夏の音を感じるひとときは、都会人にとっての贅沢な癒しなのかもしれません。
おすすめの楽しみ方
- 朝のうちに訪れると、涼しくて人出も少なめ
- 風鈴の音を録音して、後日スマホの癒しサウンドに
- お盆前に縁起物としてのほおずきを家に飾るのも◎
公式サイト
浅草ほおずき市は、信仰と涼が融合した夏だけの特別な空間です。
ご利益をいただきながら、風の音と共に過ごすひとときを、ぜひ体験してみてください。
